QY300の修理 FDD交換

 ジャンク品の YAMAHA QY300 を購入。2,000円でした。
通電してみると、音も出るし、だいたい正常に動作するようですが、メカニカルキースイッチが8箇所入力できません。
スイッチの入りが悪いんじゃなくて、物理的に底まで押下出来ない状態でした。
とりあえず、分解して清掃します。洗える所は水洗いもします。
壊れているキースイッチを取り外します。
キースイッチを分解してみます。外装の爪が小さいので、折らないように注意。
接点が変形しているので、これを修正すれば治りそうです。
ピンセットで修正。テスターで導通を見て、ちゃんと ON - OFF することを確認。

元通りに組み立てたら、調子よくキー入力できるようになりました。
フロッピーディスクドライブ (FDD) のゴムベルトがベロベロになっていて、ディスクが回転しないので FDD を交換することにします。

1994年発売の機械で、そんなに古くないからダイレクトドライブの FDD なんじゃないかと思っていたんですが、違いました。
同じ FDD は手に入らないのでパソコン用の FDD を流用します。
普通の Windows パソコン用 (DOS/V IBM PC) の FDD です。
QY300 の FDDは 24pin のちょっと変わったコネクタだったので、QY300 に元々付いていた FDD からコネクタを取り外して、変換コネクタを作りました。


逆刺し防止のために、パソコンの FDD に刺さるコネクタの 3pin に爪楊枝かなにか適当なものを詰めて、穴を塞いでおきました。
FDD に付けた所。
金属のシャーシがコネクタにぶつかるので、少し切断しました。
筐体に組み込んだ所。
ギリギリ収まりました。
ベゼルが灰色になりました。
ちゃんとフロッピーディスクの読み書きができるようになりました。
QY300 に元々付いていたドライブは 2DD 専用なので、2HD のメディアもそのまま 2DD として使用できたのですが、今回使用したパソコン用の FDD は 2DD/2HD 兼用なので、フロッピーディスクの 2HD 識別孔を塞いでおかなきゃいけません。
テープか何かを貼り付けておけば良いです。



FDD コネクタの ピンアサイン


QY300 ドライブ側 24pin





1 5V 2 5V
3 NC 4 5V
5 5V 6 READY
7 GND 8 GND
9 SIDE 1 SELECT 10 GND
11 READ DATA 12 WRITE PROTECT
13 TRACK00 14 WRITE GATE
15 GND 16 WRITE DATA
17 GND 18 SETP
19 DIRECTION SELECT 20 MOTOR ON
21 NC 22 DRIVE SELECT
23 INDEX 24 DISK CHANGE









IBM PC ドライブ側 34pin
製品仕様書YD-702Dシリーズ (Y-E Data) YD702DS6238D




1 NC 2 MODE SELECT
3 KEY(ピン無し) 4 NC
5 GND 6 NC
7 GND 8 INDEX
9 GND 10 NC
11 GND 12 DRIVE SELECT 1
13 GND 14 NC
15 GND 16 MOTOR ON
17 GND 18 DIRECTION SELECT
19 GND 20 STEP
21 GND 22 WRITE DATA
23 GND 24 WRITE GATE
25 GND 26 TRACK 00
27 GND 28 WRITE PROTECT
29 GND 30 READ DATA
31 GND 32 SIDE ONE SELECT
33 GND 34 DISK CHANGE

留意点

  • NC は 未接続 (Not Connection)
  • MODE SELECT は QY300 の FDD に無い信号ですが、未接続で問題ありません。(2HD の 1.2MB と 1.44MB の切り替えを行う信号線です。)
  • READY は パソコンの FDD に無い信号線ですが、とりあえずGNDに繋いでおけば動きます。
READY 信号は ドライブにフロッピーディスクが挿入されていて、ドライブの準備ができている時に Low レベルになります。GND に接続すると、ディスクが挿入されていなくても、QY300 はディスクが挿入されているものとして動作するようになります。
ディスクが挿入されていない状態でディスクのアクセスを行うと、本来ならエラーで終了するのですが、READY 信号を GND へ接続していると QY300 が FDD の応答を待ち続けて動作が止まってしまいます。その場合、後からディスクを挿入すれば正常に処理を続けてくれます。でも、動作がはまり込んだのかとびっくりするので、ディスクを入れてから操作するように気をつけたほうがいいですね。

FDD の信号線の配置とか意味とか動作の内容とかは Y-E DATA 社の YD-702Dシリーズ製品仕様書が日本語でわかりやすく説明されいて、とても参考になりました。「YD-702D」で検索すると Y-E DATA 社からダウンロード出来ました。
  • YD702DS6238D IBM PC 用の機能固定品
  • YD702DM6639D ジャンパで信号線を変更できる一般用
でした。

QY300 TEST MODE

  • [SONG]+[PHRASE]+[DISK] を押しながら電源ON
テストモード内でファクトリーセット(初期化)もできます。
テスト項目によってはメモリーの消去を伴うものもあるので、不用意に実行しないように注意。わけがわからないのに実行するのはやめましょう。

このブログの人気の投稿

ダイソーで210円のACアダプタ

windowsで「インターネット接続の共有」の設定

月刊 I/O 記事リスト 1976~1989