FOSTEX D-80 の使い方
FOSTEX D-80 の使い方
日本語の取扱説明書を見つけられないので、簡易取扱説明書を作成。基本操作
録音トラックを選択してから[RECORD]ボタンと[PLAY]ボタン同時押しで録音
[HOLD]と[STORE]の同時押しでプログラム(曲)の切り替え(1~5)
[DISP SEL]ボタンで現在位置と録音可能時間の表示切り替え。(59分以上は表示できない)
[DISP SEL]と[YES]の同時押しでタイムベースの切り替え
- ABS : 絶対時間(録音開始位置からの経過時間)
- BAR ♪ CLK : 小節数
- MTC : MIDI TIME CODE
早送り・巻き戻し・ジョグシャトルで現在位置を移動できるほか、
[HOLD]キーを押してからジョクダイアルで位置を指定して、[LOCATE]キーを押すとその位置にジャンプできる。
[LOCATE]キーだけを押せば、前回[LOCATE]キーで移動した位置に再度ジャンプできる。
[RECALL]ボタン
[RECALL]ボタンを押してから、[AUTO PUNCH IN]など区間を指定するボタンを押すと、そのボタンに設定している数値を編集できる。編集後[STORE]キーを押した後[AUTO PUNCH IN]ボタンなどを押して保存する。[RECALL]ボタンを押さずに[AUTO PUNCH IN]ボタンなどを押しても同じことなので、[RECALL]ボタンを使う意味ない?
デジタル信号の録音
SETUP - dG in でデジタル入力をトラックに割り当てるだけデジタル信号を正常に受けていれば、ディスプレイの「DIGITAL IN」が点灯
デジタル信号を正常に受けていなければ、ディスプレイの「DIGITAL IN」が点滅
(50ページ)
移動 ジャンプ
- 停止状態で[REWIND]30倍速巻き戻し
- 停止状態で[F FWD] 30倍速早送り
- 再生中に[REWIND]音を出しながら巻き戻し
- 再生中に[F FWD] 音を出しながら早送り
- ジョグシャトル 音を出しながら早送り・巻き戻し(速度可変)
- ジョグダイアル 音を出しながら細かく移動(停止時のみ)
- [STOP]+[REWIND] ([STOP]を押しながら[REWIND])先頭へ移動
- [STOP]+[F FWD] 終端へ移動
- [LOCATE]キー 現在画面に表示されている位置へ移動
- クリップボード・オートパンチ・オートリターンの[IN] / [OUT] ・[START] / [END]を押してから[LOCATE]を押すとその位置へ移動。
- [HOLD]を押して任意の位置を指定してから[LOCATE]を押すとそこへ移動。
本機だけではミックスダウン(マスタリング 2MIX)はできません。本機の出力をミキサーで2chにまとめて、それをマスターレコーダーで録音します。(49ページ 3-4 Mixdown)
本機だけではピンポン録音はできません。本機の出力をミキサーでまとめて、ミキサーの出力を本機で録音することでピンポン録音を行います。(53ページ 5-1 Ping-pong recording)
本機はMIDIクロックとMTC のマスターになれるけれど、スレーブにはなれない様子。(54ページ~)MMCのスレーブとして動作しそうだけれど、確認できず。
レコーダーは普通クロックやタイムコードのスレーブにはならない。
オートパンチイン/アウト
63ページ~- [HOLD]ボタンを押してから、ジョグダイアルでパンチインポイントを指定する。[HOLD]ボタン、ジョグシャトルどちらでも桁移動。[HOLD]ボタンを使わずに早送り/巻き戻しボタンやジョグシャトルで指定しても良い。
- [STORE]キーを押してから[AUTO PUNCH IN]ボタンを押すと、今表示されている位置がパンチインポイントとして記憶される。
- おなじようにパンチアウトポイントも指定する。
- パンチインポイントより前まで巻き戻す。先頭まで巻き戻しても良い
- [AUTO PUNCH]ボタンを押す。「REHEARSAL(リハーサル)」と「TAKE(テイク)」のLEDが点滅する
- 録音トラックを選択してから[RECORD]と[PLAY]を同時に押して録音を開始すると、録音待機状態のまま再生が始まる。
- パンチインポイントになったら自動的に録音が開始され、パンチアウトポイントになると録音が終了して、再生が継続する。
[RECORD]ボタンを押さずに再生すると、リハーサル。INとOUTの間だけ、入力音のモニターが出来る。
[AUTO PUNCH IN]ボタンを押し忘れて録音を始めると、元の音が消えてしまうので注意。
[IN]/[OUT]ボタンを単独で押せば、現在そのボタンに設定されている値を確認できる。更に[LOCATE]ボタンを押すと、そこへジャンプ。
AUTO PLAY
「AUTO PLAY」LEDを点灯させておくと[LOCATE]キーでジャンプした時に自動的に再生が始まる
AUTO RTN (AUTO RETURN)
- [START]と[END]ボタンでスタートポイントとエンドポイント設定しておく
- 「AUTO RTN」LEDを点灯させておくと ENDポイントまで来たら自動的にSTARTポイントまで戻って停止
- 「AUTO RTN」と「AUTO PLAY」LEDを点灯させておくと STARTポイントとENDポイント間を繰り返す
オートパンチイン/アウトと組み合わせて便利に使う。
編集
COPY
- [CLIPBORD IN]/[CLIPBORD OUT]でコピー元の区間を指定
- [RECORD TRACK]ボタンでコピー元のトラックを選択
- [COPY]ボタンを押す
- [AUTO PUNCH IN]ボタンでコピー先の先頭位置を指定
- [PASTE]ボタンを押す
- [RECORD TRACK]ボタンでコピー先トラックを指定(コピー元トラックの選択で 1-2 3-4 5-6 7-8 のペア意外の複数トラックを選んだ場合コピー先トラックの選択はできない)
- ジョグダイアルで繰り返し回数(rPt)を指定
- [YES]を押すと実行
MOVE
使い方はCOPYと同じ。
PASTEを実行した時点で[CLIPBORD IN] - [CLIPBORD OUT]で指定した区間が無音になる。
ERASE
- [AUTO PUNCH IN]/[AUTO PUNCH OUT]ボタンで消去する区間を指定
- [RECORD TRACK]ボタンで消去するトラックを指定
- [ERASE]ボタンを押してディスプレイに「ErAS」と表示されているのを確認して [YES]ボタンを押せば消去実行
[AUTO PUNCH IN] - [AUTO PUNCH OUT] で指定した区間が無音になる
CUT
- [AUTO PUNCH IN]ボタンでカットする先頭位置を指定
- [RECORD TRACK]ボタンですべてのトラックを選択
- [ERASE]ボタンを押してディスプレイに「Cut」と表示されているのを確認して[YES]ボタンを押すとカット実行(この処理は即時完了する)
[AUTO PUNCH IN]で指定したポイントから録音の終端までを消去して切り詰める。[AUTO PUNCH IN]で指定したポイントが新しい終端になる。CUTした分録音可能時間が増える。
ABS(絶対時間)0分0秒を指定してCUTを実行すれば、プログラム全体を消去できる。
編集実行後[UNDO]ボタンで一度だけ編集前の状態に戻せる。UNDO実行後[REDO]ボタンを押すと[UNDO]ボタンを押す前の状態に戻る。
CUT意外の編集は時間がかかる。30秒分のコピーとかイレースを実行すると、処理に30秒かかる。1分なら処理にも1分かかる。複数のトラックを選んだ時でも同じ時間がかかる。(複数トラックを選んでも処理時間は増えない)
SETUP
[DISP SEL]ボタンを何回か押して、画面に「SETUP」と表示させて[YES]ボタンを押すと設定モードになる。
ジョグダイアルで設定項目を選んで[YES]ボタンを押して各項目の設定を変更する
BAR ♪
4拍子とか3拍子とかの指定。シーケンサーとの同期に必要。1小節目から4拍子5小節目から3拍子のような指定も可能。(BAR が小節で ♪が拍子)TEMPO
テンポの指定。シーケンサーとの同期に必要。5小節目の2拍目からテンポチェンジのような指定も可能。CLicK (CLICK)
メトロノーム音を出すか出さないかの指定。メトロノームの音は8chから出る。LOAD
DATに保存したデータを読み込む。SAVE
本機HDD内のデータを、光デジタル端子に接続したDATに保存する(バックアップ)。指定したプログラムのみを保存するのか、すべてを保存するのかを選べる。FORMAT
ハードディスクを初期化する。データが消えるし、長時間かかるので注意。PREROLLTIME
[LOCATE]ボタンでジャンプした時に指定時間より前にずらす時間を指定。PREROLLTIMEが5秒なら、2分0秒を指定すると1分55秒にジャンプする。10小節目先頭を指定すると先頭の5秒手前にジャンプする。
MIDI SYNC OUT
出力するMIDIクロックの選択 CLocK / Mtc / oFF- CLocK : MIDI CLOCK
- Mtc : MIDI TIME CODE
FRAME RATE
MTC のフレームレートを選択する。24とか25とか30とか。MTC OFFSET
MIDI TIME CODEのオフセット。EnAbLE rEc
(ENABLE REC)録音可能diSAbL rEc
(DISABLE REC)録音禁止dG in
デジタル入力をどのトラックに割り当てるかを指定dG out
どのトラックをデジタル出力に割り当てるかを指定rESoLu (RESOLUTION MODE)
位置指定の丸め on / oFFONにしておくと、ジョグシャトルや早送り・巻き戻しで位置を指定する時に、[STORE]キーを押した時点で CLK が0になって便利。
SLAvE
ほかのD-80のスレーブになるかどうかの設定 on / oFFD-80を3台連動させて 24トラック同時録音とかできる。
dEvicE (DEVICE)
MIDI デバイスIDの指定undo
UNDO の動作モード指定 Edit / ALL- Edit : 編集操作だけUNDOできる
- ALL : 録音操作でもUNDOできる(HDD容量を多く使う)
FOSTEX D-80 仕様
入力 : RCA ピンx8 10kΩ出力 : RCA ピンx8 10kΩ
HDD : 3.5inch E-IDE 850MB 最大 8GB(8GB以上を取り付けても、8GB分しか使えない)
A/D D/A : 18bit 64倍オーバーサンプリングΔΣ 44.1kHz 16bitリニア
録音時間 : 約18分 (850MB) / 約2時間40分 (8GB)
録音トラック数 : 8トラック
プロクラム数 : 最大5(曲)
録音再生周波数 : 20Hz~20kHz
ダイナミックレンジ : 92dB以上
大きさ:482(W) x 148(H) x 329(D) mm, 3U size 8.2kg
消費電力 : 27W
発売 : 1996年(ころ)